思い出

HPFというのがある。
ハイスクールプレイフェスティバルの略だが、英語で言ってるだけで要は「高校演劇祭」だ。念のために言っておくが、衛星を利用して位置がわかったりはしない。それはGPSだ。酸っぱさの単位でもない。それはPhだ。ロープレでの生命力のことでもない。それは(ry ←ごめん、使ってみたかった。
ともかく、HPFの講評委員を頼まれたので幾つか観た。
観ていて思い出したのは自分の高校時代だ。
思いっきり帰宅部だったわしは下校途中の駄菓子屋の前でツレ達に捕まり、半ば強制的に、演劇部に入れられた。
ツレの中のKという男が高校の最寄駅にあった「近鉄小劇場」に行ってみたところ「めっちゃオモロかった」のでやってみたいと言うのである。そして陸上部より足の速かったKは、我々を道連れにして演劇部に入った。
この頃と言えば、ダウンタウンが「四時ですよ〜だ」という伝説的な番組で大阪ローカルながら大ブレイクし東京進出を着実に進めている時代だ。漫画では吉田戦車「感染るんです」がこれもまた大ブレイクし、まさに大衆文化のパラダイムシフトの時代だった。余談ではあるが、これもまた伝説的な「元気がでるテレビ」でダンス甲子園もやっていた。
こりゃもう、そういう熱を受けて浮かされて、なんか自分達で作りたくなっちゃってもあんまり責められる事もないだろう。それが我々はたまたま劇場が近かった為に「演劇」というあんましカッコ良くない物だったに過ぎない。
あれから15年経つ。
Kは大学時代に死んだ。
一人はエンジニアになって、一人は「郵便屋さんになる」と聞いたきり会ってない。
もう一人、ある男はシャブ中で捕まった。この男に関してはわしは大きらいだったのでザマアミロとさえ思ったが、それでも少しヘコんだ。
思えば、未だに演劇やってるのはわししかいない。別に15年ずっと続けたわけじゃないけども。
クソ暑い夏に暑苦しい「劇」なんてことをやっているうら若き高校生達の何人が続けるだろうか。
そんな事を思い、帰りにもつ鍋屋に行った。
ごめんよ、高校の時のわし。わしゃもう思いっきりおっさんだ。。