関西演劇状況?

ちょっと前に打ち合わせで話して、ほほうと思った事です。
「なんか名前が出てくる若手劇団があまりなくて、若者はみんなワークショップ公演。中堅はみんな一人芝居かプロデュース公演」という乱暴ながらも言い得て妙な発言がなんか印象に残りました。

僕も劇団をわざわざ潰してプロデュースという人間なので、他人事ではありません。
中堅というのもおこがましいので僕に関しては中年と言い換えますが、中年が一人芝居やプロデュースをするのは自分個人の力を試したいというのが大きな理由ではないでしょうか。
「修行は一通り一応終わったんだけど、えーっと、大丈夫なの、イケてんの、俺?」みたいな。
自分一人でどこまで出来るかというチャレンジをしたくなるお年頃なのでしょう、きっと。30ちょっと過ぎたあたりが。焦りもあるんです、正直。
また、集団の中の自分に限界を感じる年齢でもあります。

ぶっちゃけ集団というのは無理なのです。
若手劇団がいないのも頷けます。
だって、行きたければ勝手に一人で東京に行けばいいし、教えが欲しければ若い劇団内の演出の言葉よりワークショップのお年寄りの講師に聞いた方が役に立つのです。有名になりたいのであれば、よく知りませんがブログとか頑張って書いてTV化とか目指せばいいじゃないですか。
なんで集団で頑張る必要があるのでしょう。

僕ら古い演劇人は騙されていたんです。ずっと。
「劇団」という言葉に。それが最小単位とでも言わんばかりの迫力に。
団じゃなくてもいいじゃないですか。面白ければ。他の国の演劇人はそうじゃないです。カンパニー(=劇団)は作品ごとに集まっては解散するものです。

恥ずかしながら僕も騙されていた一人です。僕は集団が元々好きではないので、劇団時代も「個人の集まり!」と強調していましたが、それでも嫌々ながら劇団にしたのは、そういうものだからという団塊世代の亡霊の悪しきトレースだったんです。今では後悔しています。

だってバンドもダンスも他の舞台芸術もプロデュースなんですから、演劇もそれでいいじゃないですか。

なので今の状況、僕は個人的にとても好きです。

問題はダンサーやバンドマンほど、若き演劇人が毎日練習しないことくらいです。
毎日やれる場をどうにかして作らないとですよね。これは中年がどうにか頑張ってみます。それほどしてやる甲斐がありそうなのは僕の出会った限りでは三人くらいですけども。