地元

僕は今、生まれた地元に住んでいます。
地元は思い出満載です。
「暗い中学時代」とか「小学生の時に犯した許されない罪」とか「別れた彼女にローソンで張られていて、友達の車で逃げた」とか禄でもない人生が思い出したくないのに思い出されます。

今日思い出したのは最初にお話で泣いた日です。
僕は奥手なんでしょうか、「感情移入」という心の動きが12歳くらいまでよく分かりませんでした。
TVドラマなどでの悲しいシーンは基本「トイレタイム」でした。
全く理解出来なかったのです。せっかく楽しい気分で盛り上がってるのに、わざわざ暗いシーンで盛り下げる理由が。大抵の悲しいシーンはカッコいいわけでもありませんし。
そんな僕も成長につれ、ピーンと来るようにだんだんなってきました。
初めて物語で泣いた作品は漫画の「お〜い、竜馬」だったと思います。最初の方のお母さんが死ぬ話で号泣しました。
一度、物語で泣くという経験をしてからは「スラムダンク」で泣き「フォレストガンプ」の最初の方のヘンな所で泣き「アリーMYラブ」でたまに泣き、色んな作品で泣いてきました。一番困ったのはアニメの「紅の豚」です。
紅の豚では別に誰も泣かないようなところで、何故か思いっきりツボに入ってしまったのです。映画館で。
僕の泣きは基本的に男泣きなので「ぐごあうぐぬうおおおおおおおおおお」というような嗚咽が漏れてしまいます。
しかし、そんなことは許されません。公共の場ですし。誰も泣いてませんし。
必死で堪えました。
死ぬかと思いました。
だから、僕はそれ以来泣いてしまいそうな映画は絶対に映画館に観にいきません。一人でこっそり泣きたい派です。「ぐおおおおうぐぬおおおお」とか奇声を発しながら。