「通天閣に登ってみた」

okamoto20042004-11-25

普通、大阪に住む人間は「通天閣」には登ったことがない。
なので登ってきた。
感想は一言だ。

「いなたいわいっ!」
 *いなたいの意味はこちら参照↓
http://www.tok2.com/home/okazima/room_1/BBS_MSG_000703154828.html

通天閣は100m。2階までは無料で入ることが出来、それ以上、つまり展望台に向かうにはお金が必要だ。
2階が既に普通のビル6階ぶんの高さにあり、エレベーターで向かうわけだが、そこに「古本コーナー」というのがあるらしい。11月19日の「田口ランディの本は・・」の文章で述べたように、私は主に古本で読書をまかなっている。ロケーション的にかなり珍奇な古本が売られていることを期待してエレベーターに乗った。
二階には地味な生活感溢れる本棚が一つだけ置かれていた。
いくら周りを見渡しても「19 nine-teen」(きたがわ翔)など腰砕けなヤンジャン系の漫画がだらだら〜っと乱雑に置かれているこの本棚以外、それらしきものはない。
「・・・・誰ん家の本棚だ、これ?」
おそらく受付のおばちゃんの息子さんの部屋にあった本棚なんじゃないだろうか。たぶん今30代の。昔、後ろ髪伸ばしてた系の。複雑なストーリー苦手な系の。それほどのリアルな誰かの家っぽさ。通天閣の古本コーナーは、ほんとに誰かの古い本が置いてあるコーナーだったのだ。
一応、外人さんだってジャパンを期待して登ってきてらっしゃるんだからあ!私は思わずエリツィン似の外国人女性の目からこの本棚を体で隠してしまった。ジャパンに住む者として。
で、5階が展望台なのだが、4階には喫茶室があるそうで。展望台に続くエレベーターのアナウンスは「是非、商談などの際に喫茶室をご利用下さい」と無茶なことを言う。地上100mの通天閣に金払って登って、わざわざ行なう商談ってどんな商談だ。一瞬、刑務所の中千葉真一と安岡力也が世界地図を広げて悪い笑顔を作ってる深作映画な映像が脳裏に浮かんだが、どういう連想なのか、我が前頭葉
しかもエレベーターを降りたら、4階は普通に閉鎖されていた。ええい、もう。そのアナウンス、ツッコミどころ満載だから止めちゃいなさい。
とにかくエレベーターを降りた。ビリケンとかそんな普通のはどうでもいい。
大阪の街のパノラマがそこに。
冒頭の画像の正体は通天閣展望台よりの眺めである。
「・・・・・緑地面積ねえな、おい!!」
そんな再確認。
また少し大阪が嫌いになってしまった。
帰りのエレベーター、ちょっとお葬式の司会じみたアクセントのアナウンスがまたしても語りかける。
「またのお越しを従業員一同、心よりお待ちしております・・」
来ねえよ、絶対・・。
と私が心で呟くより速く、田舎から来たっぽいおばちゃんが「けえへんわっ」と口に出して言いやがった。エレベーター内の誰もが思っていることとはいえ、係のお兄さんの「わかっとるちゅーねん」と言いたげな無言の表情に、非常に気まずく私は地上に降り立ったのだった。