「もうおっさんかも」

もうおっさんなんだろな。芝居にレイプシーン入れるようになっちゃあ・・と、今日の稽古で初めて思った(笑)。
もう大阪で一回やっちゃってるが「カラクリ少女」には何を隠そう主人公がレイプされるシーンが出てくるのだ。エンタメとか呼ばれてる劇団なのにこの鬼の所業・・。でも、必要だからあるわけで、美しいラストの為にはどうしても欲しいシーンだったのだ。
大阪では新人レイパー達(一部、女子(笑))がいまいち遠慮してしまって、ストーリー的な変化を見せれるシーンだったのに結局あまり見せない方向(想像させる方向?)に演出した。「余計、陰惨じゃないか」と思ったが何やってんだかわからないのをお客さんに見せるわけにもいかないので仕方がなかった。だから今日は延々、レイプの稽古だったのだ(笑)
わしはこの世にエンターテインメントにならない事はないはずだと信じている。この世で行なわれている全ての事は(そこに、作品としての意図が明確にあるならば)見せていいものなのだという確信がある。そこを積極的にやっていかねばエンタメ演劇はお子様の娯楽でしかなくなる。わざわざ自分がやらなくても、とは思うが、他がやらないんだから仕方がない。
この辺が砂糖菓子みたいなエンタメを期待してるお客様には受け入れられないのかも知れない。いつもはジェットコースターの強みで、とんでもなく捻じ曲がったテーマを勢いで捻じ伏せ当り障りのないように見せていたが、今回はそうじゃない。
しかし、多少なりとも「お話」というものを好きである限りは、物語に混入された毒こそが最もおいしいとこなわけである。それこそが文学性(でかいこと言っちゃってごめん)だと思っている。レイプが毒ですごいだろってわけじゃないのは、観てくれないとわかんないと思うので(もっと精神的に残酷なこと一杯出てくるので)観てない人がこの文章読んで分かってもらえるかどうかは知らない。
でも、当り障りのないハッピーなのが観たければ、山盛りでそんな劇団一杯あるんだから他を観に行けばいいのだ。そして、家族が大切とか、純粋な愛とか、固い友情とかいったTVでも観れるような差し障りのないことを思って今日も眠るがいいのだ。
今回、やたらに年配の方が気に入って下さるのも、わしがおっさんになって「若いヤツは知らんが、わしは今これが面白い」というのを開き直ってやったからだと思っている。
なので、ふと浮かんだのだが、ゆとり教育は間違ってると思う、きっと(笑)。
円周率は3じゃない。割り切れないから、数字って人間が便宜上作ったもんなんだって初めて分かる機会なんじゃないの?この世界が先にあって、人間なんてそれを自分達がなんとか理解しようと、不条理な戦いを続けてきた哀れなもんなんだって、そういう事に初めて気づくとこでしょ?
だから「神」なんて概念が発生したんだし。
そこは大切だと思う。
いじめ、カッコ悪い。
以上。