映画のヘアスプレーを観にいきました

ちょっと前に映画「ヘアスプレー」を見てきました。
観る前の期待感たるやウキウキといいますかワクワクといいますか。ともかく楽しむ気満々でした。
だって「シカゴ」は完璧に面白かったし「プロデューサーズ」も(前半30分の向こうのお約束の為に賛否分かれると思いますが)珠玉と言える作品でした。これは期待しないわけがありません。
なんというか、CGなど込みの”映画的娯楽ミュージカル”が今花開いた!という時代に僕らは生きているんじゃないかと思うほど良作が続いたわけです。
始まってすぐデカデカと「翻訳 戸田奈津子」と出た時「ぐお。地雷っ」と一抹の不安がよぎるのは貴方だけじゃありません。日本人なら八割そうです。だからそこはスルーです。だって仕方ないじゃないですか、英語全部聞き取れないお粗末なヒアリング能力なんですから。。

前半1時間はもう圧倒的です。
いきなり歌で始まります。日曜の朝にやってるアニメのオープニングみたいなダサダサ演出なのも主人公のキャラクターを際立たせるものと諦めましょう。寒いですが、それくらいどってことありません。
ほんとに前半1時間はすごいんです!!
前半の為に観にいって下さい。(すいません、言ってしまいました・・)
映画が始まって1時間くらい経ってからでしょうか。じんわりとイヤ〜な流れの悪さが映画を支配していきます。
芝居もそうですが映画も連続性の見世物です。その連続が美しくないと何やってもダメというか。
でもね、演技もダンスも歌も最後まですんごいイイんです。
中盤からの同じようなセリフを繰り返す政治的メッセージは一体なんなんでしょうか。
この作品は舞台のミュージカルとして大ヒットしてるはずなんです。
もしこんな稚拙な政治メッセージが大ヒットしてるというならアメリカ人をさらに嫌いになること請け合いです。そりゃ民間人に原爆落としますよ。僕らに比べて精神性がガサツなんだと思います。同じようなセリフが繰り返されるのは戸田さんの翻訳能力のせいなのかも知れませんけども。。。
内容はアメリカンミュージカルにありがちな黒人VS白人の人種差別のお話で、黒人だっていい所があるんだ!ダンスがうまいんだ!というアレですけども、そんな事が果たして人権を向上するのに何か役に立つのかどうか。。。そんなことより原爆落としたことを一回くらいはしっかり謝れよ、この毛党!!!
それは置いといて、実際に踊ってる映像では黒人の方がカッコいいのは誰が見ても分かるんです。(リズムの取り方が非常にカッコいいです。圧巻です)
しかしながら、それを何度もセリフで言われるこのつらさ。観りゃ分かるだろって話です。客が目瞑ってるとでも思ってんでしょうか。
この作品の原作(?)はたしか80年代前半だったと思いますが、描かれる舞台が60年代なので政治メッセージも自然なのかも知れません。
それにしたって今映画にするとして描き方はずいぶん色々とあると思うのです。こんなんじゃなくて。
キャスティングはなかなか考えてあるのだと思うので観る価値は十分あると思いますが、僕はこの映画キライでした。
今年最低と烙印を押そうと思ってる「トランスフォーマー」の方がイケてる気がします。前半が良かっただけに・・
それでも前半はとてもいいので「前半だけ観に行って後は寝る」という猛者にだけお勧めです。