リベンジ

僕には一つの重大な悩みがありました。

それが僕を慢性のうつ状態にしていたと言っても過言ではありません。

脚本を書いていて自分でも思いの他いいセリフが思いついた時も、お芝居で望外の褒め言葉をいただいた時も、即興演劇の監督という微妙な立場でなんとか会場を盛り上げることに成功した時も、普通なら諸手を挙げて喜ぶべきところでしょう。しかし、僕の脳裏にはそんな時決まって一つの言葉が浮かぶのです。

「でもお前は、スルメイカの皮を上手く剥がす事が出来ないじゃないか」

どんなに嬉しい事があったってこの言葉が浮かんだ瞬間、僕はもう生きている価値のないダメ人間なのだと思い知らされてしまうのです。

たかがイカごときを上手く捌けない。こんな恥ずかしいことをブログに書いてしまう今の精神状態もどうかしているのかも知れません。
イカの皮を剥がす、こんな事さえ出来ない自分という人間が果たして生まれて来てよかったのだろうか。日々、思い出しては何も手につかずただ呆然とするのみでした。

今日までは。

今日やっと上手く剥けたんです、スルメイカの皮が!!上手く捌けたんです、イカを!!
僕はもう人並みです!


はい、また作ってやりましたよ、イカの塩辛を。