仕込み・・・なのですが

今回の大阪歴史博物館講堂という劇場、五時までで退出なんですね。
で、本来なら今日の仕込み終わって五時以降は稽古でもするはずだったんですが、出演者のスケジューリングのミスによりそれも無くなり、明日が初日という局面で今まで経験した事がないほどゆっくり過ごしていました。
公演をやる事だけが凄く遅くにかつ先に決まった今回の公演(この劇団はいつもですけど)多忙の折だった事もあり追いたてられるようにストーリーを考え、追い立てられるように脚本を書き、追い立てられるように演出するしかなかったわけで(これもいつもですね、この劇団では)、今日やっとゆっくり自分が何をやろうとしたのかを見渡したところ「あ。こういうのをやりたかったのか、僕は」という気付きがありました。
多分それをしっかりと落とし込むとAともBとも全く違うCバージョンが出来上がるんですが、それはまたいつかやればいいかなと思ってます。そこでも悩むのは一緒ですけどね。
なんというか、今から再演が楽しみな芝居です。こんな感覚は十年以上芝居やってて初めてです。
作品はそれなりに面白いと思うんです。今までと全く違う面白味ですが。
ただ、この感覚の大本が、やり残したことなのか、新しい方法論が見えたのかは自分でも分かりません。
色んなものをかなぐり捨てての第四回公演。
一年で一杯書いたので、ある意味一回ごとに乱暴にならざるを得ないという宿命的な欠陥もあります。これも今までと同じく新しいテノヒラサイズを模索しつつの作品です。決定版とは口が裂けても言えない感じで。
今回の作品の中に僕も見えてない先が所々あって、そこをどうして行くかが、ずっと演劇をやっていくという覚悟と共に、新しい作品を作り続けなければならないという芸術集団に課せられた重要な使命なんではないでしょうか。一回一回の出来不出来ではなく。

明日からの公演です、「テノヒラサイズの飴と鞭と罪と罰

是非、よろしくお願いします。